お絵かき禁止の国 長谷川まりる [作家は行]
第59回講談社児童文学新人賞受賞作。
青春小説です。
中学3年生の主人公ハルが、
同級生のアキラに思いを寄せる。
ある時、アキラがハルにキスをした。
舞い上がるハル。
この気持ちは、なんなのか。
漫画を描くのが好きなハル。
いつも仲間と一緒にイラストを描いていた。
アキラとは、漫画の事を話したり、
とても仲の良い関係だ。
いつしか横にはアキラがいた。
ハルは、とても幸せだった。
・・アキラは、女の子だ。
公園での2回目のキス。
その写真が、拡散された。
ハルは、両親に話す。
女の子が好きなこと・・
父親には、なかなか理解されず、
家庭内には、重苦しい空気が流れた。
学校では、友達のほとんどから、
白い目で見られた。
アキラは、母親の指示で
卒業まで学校を休むことに・・。
人が人を好きになっただけなのに・・
そして、中学校生活最後の日がきた。
・・・卒業式。
またあおう 畠中恵 [作家は行]
しゃばけシリーズ外伝 第2弾。
廻船問屋兼薬種問屋長崎屋の若だんなを
取り巻く人ではない妖たちが、
人の世で生き続ける中、
妖同士で起こるいざこざは、
時に人の世へ変化をもたらす。
一太郎の周りの妖たちは、
一太郎を守るため、人の世のため、
道外れた者たちの悪行を諫め、
これまでもこれからも一太郎の精神を
受け継ぎ、世の均衡を保つ。
時は流れて、
長崎屋の主人となった一太郎。
同じく妖たちが見え、
昔から世話になった広徳寺の寛朝は
亡くなり、秋英が後を引き継いでいた。
妖退治の高僧だった寛朝の形見分けで
大変な事が・・
封印していた付喪神たちの
お札を外された後の行動は、
誰もが予期していない事であった。
総理の夫 原田マハ [作家は行]
総理の夫 First Gentleman 新版 (実業之日本社文庫)
- 作者: 原田 マハ
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2020/11/02
- メディア: 文庫
昨年、映画化され、
話題になった作品です。
史上初の女性総理大臣が誕生した。
鳥類研究家の夫・日和は、
妻であり総理でもある凛子を、
支えていく覚悟を決める。
大財閥相馬家の次男である日和は、
気は優しく、能天気な性格。
総理である相馬凛子は、
小説家の父、政治学者の母の娘であり、
頭脳明晰、曲がった事は大嫌い、
美人で正義の人。
寝る間も惜しんで、
バリバリ仕事をこなす。
総理の夫となった日和は、
今までの生活がガラリと変わり、
戸惑いを隠せない。
新総理誕生の裏では、
重鎮政治家の企みが蠢く。
凛子を陥れるための陰謀。
そのターゲットに日和が・・。
総理を辞任に追い込み
次期総理を狙う者の前に、
凛子はどう立ち回るのか。
私利私欲に走り、
選挙に有利に働く事ばかりを優先する
政治家が多い中、
国民のため日本のために
真剣に政策に取り組む姿勢が、
国民の信頼を得、
凛子を応援する国民は多かった。
総理としての正念場、
まさにその時、
まさかのご懐妊。
女性初の総理大臣、
この局面をどうするのか・・
もういちど 畠中恵 [作家は行]
しゃばけシリーズ第20弾。
お馴染み廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋の
若だんな一太郎と、
人ではない妖たちが、
またもや、不思議な事に遭遇し、
七転八倒の末、事を収める。
日照りが続き、
雨は一向に降らず、人々は苦しんでいた。
暑さを避けるために行った根岸で、
体が弱い一太郎に、
とんでもない事が起こる。
天の星の代替わりに巻き込まれ
なんと、赤子の姿になってしまった・・。
どんな姿になっても、
難事件に巻き込まれる一太郎。
養生のはずが、
慌ただしい日々を過ごす羽目に・・
その後、超スピードですこぶる元気に育ち、
元の姿に戻ったのだが、
また病弱な一太郎になってしまった。
そんな一太郎に容赦なく
また事件が・・
しかし、兄やたちや周りのたくさんの妖たちの
力もあり、素敵に乗り越えるのだった。
三千円の使いかた 原田ひ香 [作家は行]
気になっていた作家さんの一人である
原田ひ香さん。
今話題のこちらの本が、お初なのですが、
もっと他の作品も読みたくなりました。
とても洞察力に優れ、人間味のある、
複雑で秘めがちな心模様を
サラリと描き、真髄を突いてくる。
何か自分も救われるような、
ああ、自分だけじゃないという安心感も、
少なからず与えてくれる
現代のあらゆる年代の人に向けた本です。
解説で垣谷美雨さんが書かれていましたが、
「他人は他人、自分は自分」です。
格差社会において、とかく他人と比べがちな現代で、
自分はどう向き合っていくか。
『お金や節約は、人が幸せになるためのもの。
それが目的になってはいけない』
と本編中の73歳・琴子さん。
お金の使いかたは、千差万別。
お金の価値は、その人によって違っている。
三千円、どう使うかは、自分次第。
三千円が、
生きる道を開く根源になるかも。