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こいごころ 畠中恵 [作家は行]


こいごころ (しゃばけ)

こいごころ (しゃばけ)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/07/21
  • メディア: 単行本



しゃばけシリーズ第21弾。
5話の短編から成るお話。

お馴染み廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋。

若だんなの一太郎は、
今日もたくさんの妖たちに囲まれている。

病弱な一太郎だったが、
人々や妖たちの信頼厚く、
日々持ち込まれてくる様々な相談事などを、
解決するために、毎度知恵を絞る。


短編の一つ「こいごころ」は、切ないお話。

永遠の命を持つと言われる妖だが、
中には妖の力が弱くなりゆくものもいる。

その小狐を救うために、
一太郎の祖母大妖おぎんの元、
神の庭への橋渡しを頼まれた一太郎だったが、
また別のあるトラブルにも遭遇し・・

小狐の行く末を見守る妖たち。

目の当たりにした瞬間の儚さ。


昔のご縁、御恩、
忘れられない思い出、
今一度、あなたに会いたくて・・






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彼女は頭が悪いから 姫野カオルコ [作家は行]


彼女は頭が悪いから

彼女は頭が悪いから

  • 作者: カオルコ, 姫野
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/07/20
  • メディア: 単行本



2016年に実際に起きた東大大学院生5人による
強制集団わいせつ事件を元に書かれた小説。

東大生というだけで、
羨望のまなざしで見られ、
それを当たり前のように受け入れ、
いつしか偏差値で全てを測り、
低い大学生を蔑むようになった。

普通の女子大学生の美咲と
東大生つばさは、あるフェスで知り合った。

一時は恋人だった。
そう思っていた彼に
突如、裏切られた。

あの日、他の奴らと同様に、
いたぶり、暴行を加えた。

必死の思いで、
その場から逃げ出し、
公衆電話から警察を呼んだ。

事件は、明るみになる。

しかし思いもよらない
被害者の美咲に対しての世間のバッシング。

勘違い女・・。

彼女は、普通に、平凡に、
恋をしたかっただけ。

自分たちを擁護する自らの投稿は、
面白がる外野を引き込み、
被害者の心をさらに追い詰める。

彼らは、
執行猶予付きの有罪。
東大退学。

しかし本人及び親たちは、
全く納得していなかった。

反省すらしていなかった。

心は腐ったまま、
親の保護の元、
のうのうと生き続ける。





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古本食堂 原田ひ香 [作家は行]


古本食堂

古本食堂

  • 作者: 原田 ひ香
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2022/03/15
  • メディア: 単行本



ベストセラー「三千円の使いかた」の
作者である原田ひ香さんの小説です。


本の街で知られる神保町。

語り継がれる文学の歴史を尊び、
昔ながらの喫茶店をはじめ、
文豪たちの足跡も垣間見れる街並みに
心惹かれる人々。

国文学を学ぶ大学院生の美希喜は、
この街で古本屋を営む大叔父・滋郎の元に
何度か通っていた。

大らかで優しく誰からも慕われる大叔父。

進路や将来の事で悩んでいた美希喜の足は、
なぜかこの古本屋に向いていた。

そんな大叔父が、突然亡くなった。

大叔父の妹・珊瑚が、古書店を引き継ぐことに。

アルバイトとして美希喜は関わることになった。

珊瑚と共に、そこで出会う人々は、
古本や美希喜たちを通して、
人生のほんの少しのきっかけを見つける。

そしてそこには、必ず周りに根付く店々の
美味しい食べ物があった。

発見のきらめきと、満たされる食。

2つが融合した時、
この上ない幸福感に包まれる。

この街全体が、「古本食堂」なのだ。


美希喜は、気付く。

自分がこの先一番したいことに・・







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この本を盗む者は 深緑野分 [作家は行]


この本を盗む者は

この本を盗む者は

  • 作者: 深緑 野分
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/10/08
  • メディア: 単行本



2021年本屋大賞ノミネート作品。

書庫「御倉館」から、本が盗まれると、
ブック・カーズが発動する。

その時現れる少女・真白から与えられた本は、
御倉館管理人の深雪を不思議な世界へ誘う。

盗んだ犯人を捕まえなければ、
御蔵館を含む読長町全体が大変な事に!



御蔵館は祖父が蒐集した書物が集まる巨大書庫で、
以前は一般に貸出を行っていた。

祖父亡き後、祖母のたまきは、
大切な本200冊が盗まれたのをきっかけに、
書庫を閉鎖してしまった。

そして、呪いをかけた。

しかし、珍しい本が集まる御蔵館は、
度々、泥棒が入った。

ブック・カーズの発動。

町全体が、
その時、真白が差し出す本の世界に変化する。
そして、住人たちが、その登場人物と化す。

劇中に、紛れ込む犯人。

時間が経つにつれ、
人間は、狐の姿へ変化していく。

犯人を捕まえなければ・・・

完全に狐に変わってしまう前に。



何度か犯人を捕まえ、
ブック・カーズを解いてきた深雪だったが、
ある時、日常には戻らず、
犯人と深雪以外、
町に誰もいなくなってしまった。

呪いの根源を突き止めるべく、
深雪がとった行動とは・・





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野良犬の値段 百田尚樹 [作家は行]


野良犬の値段

野良犬の値段

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2020/12/24
  • メディア: ハードカバー




「天網恢恢疎にして漏らさず」

現代社会に、裏切られ潰され、
どん底に落とされた者たちが、
不条理な社会の欺瞞や偽善をあぶり出す。

悪事を行えば、必ず報いを受ける


ネット上で話題になっている
「誘拐サイト」

6名の人質は、ホームレスだった。

犯人は、新聞社とテレビ局へ多額の身代金を要求する。

当初いたずらかと思われていたが、
「常日新聞社」、「JHKテレビ」は、
身代金には断固として応じないとしたことから、
人質が一名ずつ殺された事で、
ようやく警察が動き出す。

続いて「東光新聞社」「大和テレビ」に
身代金が要求される

ネットの反応は瞬時に社会に影響を与える。

身代金に応じなかった2社への世間の反応は、
予想以上に批判的で、
2社に多大な損害を与えた。

東光新聞、大和テレビは、
警察との連携を取りながらも、
内密にきた犯人たちからの条件に
頭を悩ませていた。

犯人は、相当頭が切れる。

後手後手に回っていた警察は、
犯人には勝てないと判断し、
裏取引に応じる。

サイト上でのある意味、世間へ向けた対応と
実際の対応の相違。

犯人たちの全て先手先手の策士対応は、
完璧だった。


ただ、ひとりの古参刑事だけは、
全てのからくりをわかっていたのかもしれない。




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