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なくしたものたちの国 角田光代 [作家か行]

なくしたものたちの国
著者: 角田光代
イラスト: 松尾たいこ
出版社: ホーム社
価格: ¥ 1,680
発売日: 2010/09/24


松尾たいこさんのとても素敵なイラストが、
際立っています。
鮮やかな色遣いなのに、
静観出来る。
心の奥底に訴えかけるような力を持ち、
角田さんの物語を盛り上げるように、
不思議な世界へ引き込みます。

ヤギのゆきちゃんとお話しが出来た幼い頃。
お母さんの大事なティアラを、
ゆきちゃんに貸してあげたまま、
8歳の夏休みが終わった時、
ゆきちゃんの声はは、メェェとしか聞こえなくなった。
今まで聞こえていた他のモノの声も、
一切聞こえなくなった。

このことを懐かしく思える日がくるのだろうか。

昔飼っていた猫のミケの記憶が
消えることなく生まれ変わった人間の銃一郎。
ミケを可愛がっていた母との対面。
母とミケだけの思い出。
名乗らなくても、通じ合う心。
突然いなくなったミケを思う母の気持ちが、
引き寄せた真実。

叶わぬ恋もしたけど、
やがて私は結婚した。
夢でうなされる。
娘を忘れて置いてきた、
そして捜す・・・。
この世を見ることのなかった命。
心の叫びとなって。

忘れてしまったこと、
なくしてしまったもの、
それらは形を変えて、
めぐり巡ってくる。
いのちのありようを変えながら、
繰り返されていく。




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