夫の骨 矢樹純 [作家やらわ行]
- 作者: 矢樹純
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2019/04/12
- メディア: 文庫
第73回日本推理作家協会賞(短編部門）受賞
9つの短編から成るミステリー作品集。
予想を覆す展開に、
どの作品も度肝を抜かれます。
姑の死後、
突然、登山を始め、亡くなってしまった夫。
物置から出てきた乳児の骨。
姑は、父の後妻だった。
謎が謎を呼び、
想像の域を出ない。
姑が入っていた施設の介護士に、
何気なく姑の行動を聞いてみる。
驚愕の告白。
・・・・
他8編。
マジカルグランマ 柚木麻子 [作家やらわ行]
- 作者: 柚木 麻子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2019/04/05
- メディア: 単行本
理想のおばあちゃんからの脱皮⁈
人の為、人の幸せは自分の幸せ・・
ではなく
自分の為、自分自身の幸せが本当の幸福。
女優だった正子が、映画監督と結婚し一度は引退したが、
再び芸能活動を始める。
絵に描いたような幸せなおばあちゃんとしてCMに出演し、
人気を博すが、
別居のような状態が続いていた夫が突然亡くなり、
イメージガタ崩れの発言をし、人気は一気に急降下。
その頃、家に転がり込んできた夫のファンだという女・杏奈。
何かと口論になるも、いつしかお互い助け合い暮らす羽目に。
夫が残した2000万の借金を返すためにも、稼がねば・・
大豪邸を売るにも、なかなか難しく、
映像関係に憧れを持つ杏奈が考え付いた策は、
この豪邸を、ストーリー性のあるお化け屋敷にすることだった。
悪名高い正子が、大迫力のお化けになる。
周りの知り合いを巻き込み、ネットを駆使し宣伝し、
口コミで広がりあっという間に大盛況。
次第に正子のイメージも好転していく。
この試みは、老人たちもキャストとして参加できる企画として、
各地でアイデアが取り入れられるなど反響もあった。
そんな中、人生において大事な幼馴染の陽子との再会。
彼女は認知症を患っていた。
彼女と共に、生きていこうと決心した正子。
そんな正子に、驚きの話がきた。
ついにハリウッドデビューか⁈
目をかけられオーディションを受けに行くのだが・・。
パワフル正子ばあちゃん。
我が道を突き進む！
本と鍵の季節 米澤穂信 [作家やらわ行]
- 作者: 米澤 穂信
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/12/14
- メディア: 単行本
高校の図書委員の松倉と堀川。
数字にも強く、幾たびか謎を解いてきた。
今回も、謎解きの依頼が舞い込む。
亡くなった祖父が残した金庫。
番号を解いてほしいと先輩からの依頼。
そこに隠された大きな事件が、
2人によって明かされる。
全てのカギは、本にある。
二人は、次々に謎を解明する。
堀川は、頼まれごとが多く、人を信じる事を前提とする。
一方松倉は、幾度となく嘘をつくし、人を疑う事が多い。
お互いを補いながらも、
うまくいっていたと信じていた。
ある時、少しひねくれ者でクールな松倉からの謎解きが。
松倉の謎の真相を導き出すために、
堀川がとった行動・・。
真実を知った時、
真の心が動き出す。
信じよう。
これからの人生のためにも。
デートクレンジング 柚木麻子 [作家やらわ行]
- 作者: 柚木 麻子
- 出版社: 祥伝社
- 発売日: 2018/04/11
- メディア: 単行本
それぞれのライフステージ
仕事、結婚、妊娠、出産・・・
レールから外れる怖さから
焦燥感に圧し潰され、本質を見失っていく
幸せとは何なのか・・
立場の違う友人と、
これからもずっと友人でいるために、
全力で、「女を縛る呪いをふちやぶれ！」
自分らしく生きるために。
妊活中の佐知子と婚活中の実花
両者の意見がぶつかり合う。
かつてアイドルグループ「デートクレンジング」の
マネージャーだった実花
グループ解散後、焦るように婚活を始めたのだが・・
鬼気迫る程の実花。
佐和子が何を言っても、実花には届かず。
二人の間に溝が生まれる。
解散して数年後。
バラバラになったデートクレンジング元メンバーの絆を
二人は目の当たりにする。
自分らしくありたい
違った色々な形のライフステージがあって良いのだ
垣根などない
自分が満たされていれば、
自然と周りもフラットに見えてくる
ＢＵＴＴＥＲ 柚木麻子 [作家やらわ行]
- 作者: 柚木 麻子
- 出版社: 新潮社
- 発売日: 2017/04/21
- メディア: 単行本
美食と欲望の渦。
知らず知らずに心の中に住み着き、
心奪われていく。
彼女は、相手の心の内側に入り込み、操作する。
突然、裏切り、精神的に破滅、崩壊させる。
決して若くも美しくもない女・梶井真奈子（カジマナ）が、
結婚詐欺の末、男性三人を殺害したとされる事件。
自殺か他殺か、事の真相はわからない。
週刊誌の記者である里佳は、拘置所に面会に行き、
真相を探ろうと試みる。
彼女のことを知るために、
彼女の言うとおりに、追体験する里佳。
今まで知らなかった濃厚で心躍る体験。
一流の味。
思いもよらない幸福感を与えるバター。
カジマナからの言葉に、惹きつけられていく。
彼女に翻弄されていく。
そして、ある時、彼女の裏切り。
奈落の底に落とされ、意識が遠くなっていく。
ああ、そうなのか。
これなのか。
自ら、手を下さずに、破滅へと導く。
すべて断絶した空間に閉じこもり、
時間を経過させた。
自分の道を、自分の好きなことをして、
ありのままで、心地よい自分でいよう。
私は、死んでいった男性たちとは違う。
