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ふなふな船橋 吉本ばなな [作家やらわ行]


ふなふな船橋 (朝日文庫)

ふなふな船橋 (朝日文庫)

  • 作者: 吉本ばなな
  • 出版社: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2018/03/07
  • メディア: 文庫



吉本ばななさんの穏やかで、静かな、
それでいて、痛いほど伝わる非日常的な心情表現が
とても心に響きます。

ありそうでなさそうで、曖昧な事でも、
素直に受け入れられる、
しかも、色々な経験が人間の考え方を変え、
徐々に前向きになっていく過程が、
静かに空気のように伝わってくる感が、とても心地よいです。

さすがです。





人生の岐路に立たされた時、

迷い悩んだ時、

素直に自分の胸に聞いてみる

YesかNoか。


15歳時、両親の離婚により、
母が行く道についていくか否か迷い、
あの時、Noを選んだ。

母の悲しい顔は、忘れられない。
その時、母からもらった黄色い梨の妖精のぬいぐるみは、
その後、ずっと心の支えになっていく。

おばさんの家で暮らす中、
寂しい時に夢の中に出てくる少女との不思議な出会いは
私に与えられた使命。

当時、付き合っていた彼との予期せぬ別れ、絶望、
闇に突き落とされたような暗さ、痛み、
彼の幸せを思い、
静かに傷が癒えるのを待った。

次第に、色々なものが見えるようになってきた。
普通に過ごしてきた日常も、
見方が変われば、違って見える。
自分中心から、客観的に自分を含めた環境を見ると、
世界が広がって見えた。
まさに、時の流れと共に、這い上がっていく。

そこに、まさかの元彼の復縁宣言。

一瞬、目の前が明るく輝いた。
しかし、迷っている。

自分が本当に望む道は、
何なのか。

打算、執着、優越
一時の感情

一瞬、15歳の決断を思い出した。


あの時の正直な、YES、NOを。




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窓から逃げた100歳老人 ヨナス・ヨナソン [作家やらわ行]

窓から逃げた100歳老人
著者: ヨナス・ヨナソン
訳: 柳瀬尚紀
出版社: 西村書店
価格: ¥ 1,620
発売日: 2014/06/24


100歳の誕生日、
アランは老人ホームの窓から逃げ出した。

途中、いただいたスーツケースには、莫大な大金が・・。
その大金と共に、バスに乗り、
辿り着いた先から、様々な事件が重なり、
警察に追われる身となるも、
淡々とマイペースで、進む先で出会う者たちも
常識からかけ離れ・・。

人生、なるようになる。

アランが生きてきた100年は、
名立たる歴史的人物たちのもと、
陰の功労者たる活躍ぶりで、
嘘まみれの中、スルスルと生き延びてきた。

爆弾づくりの専門家のアラン。
数々の歴史的事件の裏にアランあり・・。

数奇な人生。

苦難と思える出来事も、
稀なる強運が援護し、
上手く事が進んでいく。

あまりのぶっ飛びに、
周りの能天気さに、
アランの強運に、
すべてに完敗です。





ロバのサイン会 吉野万理子 [作家やらわ行]

ロバのサイン会
著者: 吉野万理子
出版社: 光文社
価格: ¥ 1,512
発売日: 2016/03/17


動物目線から、人間社会を観る。

CMや、ドラマで活躍するネコ。
人間の言葉や思惑、なんでも理解している。
人間も動物も生物として、同じなのである。

オウムやイヌ、ロバ、イルカ、シカ、そして蝶・・・。

生と死。
死の受け入れ方は、人間よりもとても自然。
生物の定めを、前向きに受け入れている。

人間たちの慌ただしい世界を、
今も昔も、じっと見続けている。



サーカスナイト よしもとばなな [作家やらわ行]

サーカスナイト
著者: よしもとばなな
出版社: 幻冬舎
価格: ¥ 1,620
発売日: 2015/01/21


動かないさやかの親指。

重ねてきた日々は、波乱に満ちていた。

娘のみちるの父・悟はもうこの世に居ない。

信頼のおける義父母。

さやかの周りには、いつも愛情があった。


人のつながりは、ご縁という絆で結ばれている。

恋人だった一郎が、今のさやかの家に昔、住んでいた。

庭に埋められたもの。

引き寄せられた運命。

亡くなった一郎のお母さんの願いが、

2人を再び出会わせた。



幼くして両親共に亡くしたさやか。

流れに任せ、取り巻く色々な感情と共に、生きてきた。

この親指の事件の時も、自分の意志のままの行動だった。


そして、人の優しさから、逃げた。




再び動き出した人生の舟。

導かれた運命にしたがって、

ゆっくりゆっくり、漕いで行こう。









店長がいっぱい 山本幸久 [作家やらわ行]

店長がいっぱい
著者: 山本幸久
出版社: 光文社
価格: ¥ 1,620
発売日: 2014/11/14


親子丼ならず豚と卵の他人丼。

名付けて「友々丼」

チェーン店「友々家」として、多数展開している。


全国各地にあるの友々家を持つ各店長たち。

それぞれの背景や思いを胸に、

日々「友々丼」を提供し続ける。

周りのスタッフや、客、そして、経営体制・・。

皆、悩みを抱えながら働いている。


本部のキャリアウーマン霧賀は、

全国各地の橋渡しとして絶大の信頼を置かれていた。

一方の社長は・・。

ダメダメのレッテルを貼られ、自暴自棄状態。

しかし、ある店にお忍びで修行したことで、

根本からたたき上げられ、人として成長する。

母であり創業者である会長にも、

忘れられない過去が・・・・。


「友々家」に携わる人たち、

それぞれの奮闘記。


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