木挽町のあだ討ち 永井紗耶子 [作家な行]
第169回(2023年上半期)直木賞受賞
第36回(2023年)山本周五郎賞受賞
睦月晦日の丑の刻、
木挽町芝居小屋裏手にて仇討ちあり。
仇討ちを成し遂げたは、菊之助。
父の仇である作兵衛の首級を上げ、
野次馬をかき分け立ち去りし末は、
仇討ちを認められ、母の待つ里に帰還を遂げた。
その後、菊之助の縁者を名乗る若侍が、
仇討ちの舞台となった木挽町を訪ね、
関りのあった人々に話を聞いて回っていた。
木戸芸者の一八、立師の与三郎、
衣裳部屋のほたる、小道具の久蔵夫婦、
そして芝居の筋書を書く金治。
それぞれの身の上話も聞いていく。
多様な苦難から流れ着いたこの芝居小屋、
菊之助の身の上を、人情溢れる面々が見守る。。
徐々に明かされる真実、
仇討ちの背景、
菊之助の苦悩・・・。
すとんと合点がいく結末に、
文章の構成の素晴らしさもあり、
とても面白い作品でした(^▽^)
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