月の立つ林で 青山美智子 [作家あ行]
それぞれの人生。
何事もうまくいかない、
思い通りにいかない、
誰もが、思い悩む。
そんなに日常に、
そっと安らぎを与えてくれたのは、
ポットキャストから流れる
『ツキない話』だった。
「竹林からお送りしております、
タケトリ・オキナです。
かぐや姫は元気かな」
お決まりのフレーズから始まる
月に纏わる興味深い話。
優しく静かで、どこかさみしくて、
なのにあたたかくて、親しみやすい声。
心を引き留め、月に思いを馳せる10分間。
職場環境に悩んだ元看護士、売れない芸人、
娘が結婚し寂しい二輪自動車整備士、
自立資金を貯める為、二輪車でバイトをする女子高生、
仕事と家庭の変化に悩むアクセサリー作家
そして原点にある「劇団ホルス」
タケトリ・オキナが導く人と人の繋がりは
巡り巡って、自分を照らす輝きとなって現れる・・
月の姿が見えない新月、
事の始まりの日。
旧暦では月の始まり。
月の立つ日、ついたち・・
新たな一歩が始まる
青山さんの小説は、
とても優しくて温かい。
全く違うそれぞれの日常が、
いつの間にか一つの大きな流れとなって
循環していく様がとても美しいと思う。
何冊か拝読していますが、
共通して感じる事です。
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