星を掬う 町田そのこ [作家ま行]
「52ヘルツのクジラたち」で
2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさんの作品。
こちらも、2022年本屋大賞のノミネート作品です。
母と娘。
普通の母娘とは、
一体どんなものなのだろうか。
子どもの頃に、
母に捨てられ、父も祖母も亡くなり、
ひとりになった千鶴が唯一掴んだ結婚生活。
素敵だと思った夫は、
ろくでもないDV夫だった。
逃げられない。
究極の決断をした時、
身の上を投稿したものがラジオで採用され、
そのつてで、
捨てられた母と再会する。
母が住む家には、
母に助けられ、母をママと呼ぶ恵真、
介護士の彩子がいた。
DV夫から逃れるため、
そこに千鶴も住むようになる。
ずっと憎み続けてきた母。
捨てられたせいで、
私の人生はめちゃくちゃになってしまった。
その思いを、
乱暴にも本人にぶちまけた。
そんな母は、
若年性認知症になっていた。
徐々に病気が進行していく母を前に、
弱かった自分、
そして母の気持ちがわかり始める。
本物の自分になりたかった母。
母も苦しんでいた。
祖母の呪縛から逃れるために・・
自分の不幸はすべて、母のせいにして、
思考を止めてきた千鶴。
自分のままでいたい。
母の選択は、自分と、
愛する娘の幸せを思うための
行動だった・・。
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