ニサッタ、ニサッタ 乃南アサ

ニサッタ、ニサッタ

著者: 乃南アサ
出版社: 講談社
価格: ￥ 1,785
発売日: 2009/10/21

「ニサッタ」とは、アイヌ語で、
【明日】を意味する。

一人の青年の心の成長を描く。

513ページの長編作です。
読みやすく、
乃南さん独特の心情の表現、
文章の柔らかさが伝わってきます。

一人の青年が、
北海道から東京に出てきて、
働き始める。

気に入らないからと、
最初の会社を簡単に辞め、
次の会社は倒産し、
働き口がないまま、
堕落していく。

自己中心的な考えで、
自分に甘い。
挫折、失敗を繰り返す耕平。

どん底まで落ち、
何とか這い上がろうと頑張る。
だが、最後の詰めが甘く、
心の弱さも重なって、
チャンスを逃してしまう。

事故を起こし、
自暴自棄になりつつある時、
自分より深い傷を持った女性が、
自分を頼ってそばにいる事に気づく。

見守らなければ。
見守ってあげたい。

そう決心した時、
これからの生きる糧、
人生の目標を得、
明日へ向かって進むことが出来た。

一つのチャンスを、
掴むことが出来なかったとしても、
それは、新たなチャンスが待っているということである。

生きている限り、
人には、可能性が秘められている。





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