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小野寺の弟・小野寺の姉 西田征史 [作家な行]

小野寺の弟・小野寺の姉 (幻冬舎文庫)
著者: 西田征史
出版社: 幻冬舎
価格: ¥ 583
発売日: 2014/09/26


2014年に映画にもなった作品。
姉に片桐はいりさん、弟に向井理さん。
映画は見ていないのですが、
お二人の様子を思い浮かべながら、
読み進めていくと、より楽しいです。
ピッタリの役だと思います。


姉・より子、弟・進、二人暮らし。
しっかり者のより子と、少しシャイな進。

言いたいことを言い合い、
時にはぶつかり合うこともあるけれど、
お互いを心の底では、思いやり、
良い温度で暮らしている。

何かと一歩を踏み出せない進に、
何とかしてやりたいより子なのだが、
そううまくは行かず。

進は、昔いたずらが過ぎて、
姉の前歯が折れたことで、
それが、姉の人生に影響を及ぼしていると思い、
ずっと責任を感じていた。
進なりの姉への贈り物。。。とは


お互いに、お互いの幸せを思う。


心の声が、ユニークで、
ホッコリあたたかい。






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まく子 西 加奈子 [作家な行]

まく子 (福音館の単行本)
著者: 西 加奈子
出版社: 福音館書店
価格: ¥ 1,620
発売日: 2016/02/25


「サラバ!」で、直木賞を受賞した西加奈子さん。
受賞後の作品です。


小さな温泉街。
小学5年生のぼくは、子どもから大人への、
微妙な時期だった。
周りの変化や、心の葛藤、
何もかもが中途半端で、もどかしかった。

突然村にやってきた母と子。
転校してきたコズエは、
とても美しく、不思議な雰囲気を持っていた。
純粋で真っ直ぐな目は、皆を引き付けた。

学校帰りに寄る城跡に、
いつしかコズエと2人で来るようになった。
石垣をほじくって石粒を思い切りまいた。
コズエもまいた。
幾度も幾度もまいた。
とても楽しそうだった。

コズエには、秘密があった。

人間や地球上のあらゆるものには、寿命があって、
やがて、朽ち果てていく。

広い宇宙からのメッセージ。

ぼくは信じる。
ぼくたちは、信じ続ける。

目の前に起きたすべての事を。

その意味を。



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和僑 楡周平 [作家な行]

和僑
著者: 楡周平
出版社: 祥伝社
価格: ¥ 1,728
発売日: 2015/10/08


プラチナタウン」の続編。

豊かな巨大定住型老人施設「プラチナタウン」

財政破たんから立ち直り、成功を収めた緑原町だったが、

今後は、人口減少、後継者不足等、

プラチナタウンの未来は、刻々と変化していくだろう。

商社マンだった山崎町長は、次なる策を考えていた。


日本人の繊細な技術、食文化、伝統、

これらを広く外国へ浸透させていくことで、

地方経済の再生を図る、

まさに和僑である。


しかし、全ての人が山崎に賛成なわけではない。

保守的な考えで、昔の考えを貫こうとするものに、

町長の座を譲ってはならない。


またしても、山崎の妙案が光る。


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我が心の底の光 貫井徳郎 [作家な行]

我が心の底の光
著者: 貫井徳郎
出版社: 双葉社
価格: ¥ 1,620
発売日: 2015/01/21


母親の育児放棄によって死の淵を見た幼少期。

唯一の光だった子猫。

従弟の慎司にもらったこの子猫も、

飢餓により、徐々に衰弱し動かなくなった。

自分自身もやがて動けなくなった。


生き延びた先に待っていた人生は、

とても幸せとは言えなかった。

心の奥底に絶やさずに燃え続ける炎を糧に、

自分は生き続けていた。


大人になり、身を寄せていたラーメン屋の従弟の家を出て、

悪の道に進む。

不動産詐欺、ある女性を破滅へ追い込み、

そして、母を奪った男への復讐。


自分を支えていたのは、それだけだった。



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新釈にっぽん昔話 乃南アサ [作家な行]

新釈 にっぽん昔話
著者: 乃南アサ
出版社: 文藝春秋
価格: ¥ 1,782
発売日: 2013/11/14


「さるとかに」、「花咲かじじい」、「一寸法師」

「三枚のお札」、「笠地蔵」、「犬と猫とうろこ玉」

日本に伝わる昔話。

こどもの頃から親しんできた有名どころが、

乃南氏によって、描かれた新釈むかしばなし。

基本の路線は守りつつ、

少し尾ひれのついた楽しいお話。

情景が頭に浮かぶように、

すーっと何気に入り込んでくる独特な世界観です。

肩の力を抜いて読めるそんな一冊です。



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