六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成 [作家あ行]
2022年本屋大賞ノミネート作品。
就活中の大学生。
IT企業の最終選考に残った6人。
1か月後、チーム力を発揮し、
最高なディスカッションをするはずだった。
6人全員、合格の可能性があるとの事で、
最高のチームとなり、
全力を尽くそうと皆思っていた。
しかし、試験前日に企業からのメールで、
内定者は、1人。
しかも、ディスカッション中に、
自分たちでふさわしいと思う人を選べという。
戸惑いながらの試験当日。
会場内に、そっと置かれた袋。
そこには、6人宛の封筒が入っていた。
それぞれの封筒には、
6人の「罪」「過ち」が書かれた告発文、
証拠となる写真が入っていた。
自分の内容は、他の誰かが持っている・・
誰が、こんな事を・・。
心の探り合いが始まる。
裏の顔が、次々と暴かれていく中、
誰もが疑心暗鬼になりながらも、
刻々と時間は流れる・・・
内定者にふさわしいと思う1票を、
投じなければならない。
「月の裏側は、見えない」
見る角度によって見え方が違う。
表面だけでは、良し悪しは判断できない。
悪い側面を鵜呑みにせず、
全ての面に目を向けなければ、
真実は見えてこない。
後にわかった真実を前に、
この企業に唯一就職した自分は、
人として大切な事がわかった気がした。
2023-10-10 22:09
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