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赤と青とエスキース 青山美智子 [作家あ行]


赤と青とエスキース

赤と青とエスキース

  • 作者: 青山 美智子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2021/11/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



2022年本屋大賞2位の作品です。

初めは、各々の物語が一つの絵を通して
関わっている様子をどこか遠巻きで見ていました。
最終的に、すとんと腑に落ちた時、
全てがクリアに目の前に現れ、素直に感動しました。
不思議と涙が浮かびました。



一枚の絵がつなぐ様々な物語。

巡り巡って辿り着く場所は、
ずっと昔から決まっていた。

たくさんの人生を見てきた絵
「エスキース」

赤と青で描かれたその絵は、
本来、その名の通り、
下絵としての役割だった。

しかし、その絵に、
それ以上、手を加えたり、
本番の絵を描いたりは、出来なかった。



日本からオーストラリアに留学していたレイ。

画商の両親の元、
日本から移住していたブー。

2人は、彼女が帰国する迄の期限付き恋人だった。

一時滞在を謳歌する場所
いわゆるこの「竜宮城」は、
2人にとって、結末のある残酷な場所だった。

「レイの絵を描いてほしい。」

ブーは友人であるジャック・ジャクソンに頼む。
彼は、レイの滞在期限が迫る中、下絵だけでもと、
このエスキースを描いた。


観る者が心動かされる絵は、
額縁職人によって、
更に生かされ、存在価値を高める。

そしてその絵は、そっと人々に寄り添う。










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