スモールワールズ 一穂ミチ [作家あ行]
第43回吉川英治文学新人賞受賞、
2022年本屋大賞3位の作品。
6編からなる短編集です。
一つ一つ全く違う生活、
それぞれが抱えているものは違う。
心の深い所にあるやるせない思いや
どうにも出来ない事は、
日々の生活の中で、
消化されないまま、漂い続ける。
表面には見えない心の痛み。
ある小さな出来事で、
気持ちが癒されることもある。
どんな事があっても、
時間は淡々と流れ続ける。
「子に恵まれない夫婦の日常と、
親からの愛を与えられない少年との関り・・」
「出戻った魔王のような姉が、
弟や弟の同級生と共にあることに挑戦する・・
そんな豪快な姉にも、悩みが・・」
「離婚し、投げやりな生活を送る高校教師の元に、
突然、娘がやってきて、
自分はトランスジェンダーなのだと打ち明けられる。
真っ直ぐ前を向いている娘を見て、父親は・・」
「兄を殺し、刑務所に入った男と、
手紙をやり取りしているうちに、
憎しみが和らいでいく不思議な感覚・・」
「この家で起きた子どもの生死にまつわる出来事は、
永久に、解明することは出来ない。
その秘密は、私だけが・・・」(ちょっと怖い(~_~;)
他1篇
小さな世界の集まりで
この社会は作られている。
人は、もがきながら生きていく。
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