流浪の月 凪良ゆう [作家な行]
2020年の本屋大賞受賞作です。
愛という言葉では言い表せない絆、
切実な気持ちが、
痛いくらい伝わってくる作品です。
普通ではないとレッテルを貼られると
真実も真実と認められないまま
時に押し流されていく
小児誘拐の犯罪者として晒された文。
文は、何も悪い事はしていない。
9歳だった私を救ってくれたのは文だった。
世間が流し、拡散するゴシップは、
容赦なく真実の仮面を被り続ける
誰も私の言うことを信じてくれない
憐みの目、好奇の目
大人になって出会った男性にも
打算的なフィルター越しで見られた上、
酷い事をされた。
優しかった文。
再会をした時、唯一生きている価値を覚えた
しかし、無情にも
過去はいつまでも私たちにまとわり続ける
被害者と加害者。
その奥にある真実には、目を向けず
偽りの話を勝手に信じ、
異様なものを見るかのように、
嘲り、批判し、罵り続ける。
違うというだけで
生きにくい世の中
数少ない理解者
私と文は、
お互いの存在を尊重し、
歩み続ける
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