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噛みあわない会話と、ある過去について 辻村深月 [作家た行]


噛みあわない会話と、ある過去について

噛みあわない会話と、ある過去について

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 2018/06/14
  • メディア: 単行本



4つの短篇です。
中の1作「ママ・はは」は、
「宮辻薬東宮」
に載っています。


現在と過去。

自分と他人。

それぞれ歩んできた道、
良くも悪くも年を重ねていく中で、
徐々に変わっていく。



昔の男友達の結婚。
嫁の査定は、余計なお世話。



昔の教え子の兄が、今や人気絶頂アイドル。
パッとしない子だったと、
周囲に過去を触れまわる教師。
食い違う両者の言い分。
余計なお世話・・。



地味で嫌われ者だった彼女が、
今や、カリスマ学習塾経営者。
小学校時代、友達に囲まれ人気者だった自分が、
雑誌の記事の為に、取材に行く。
複雑な心境の中で、ずっと自分が優位だと思っていた。
その思いが、無残にも打ちのめされたのは、
取材が終わった後だった。



それぞれの思い出の濃さは、良いと悪いとでは、
お互いにおける記憶の割合は、真逆だ。
仕打ちを受けた方は、鮮明に覚えている。
そのエネルギーは、計り知れない。


無暗に、他人の事を触れまわると、
大きなしっぺ返しが来る。


他人は他人。


余計なお世話なのである。






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