噛みあわない会話と、ある過去について 辻村深月 [作家た行]
4つの短篇です。
中の1作「ママ・はは」は、
「宮辻薬東宮」
に載っています。
現在と過去。
自分と他人。
それぞれ歩んできた道、
良くも悪くも年を重ねていく中で、
徐々に変わっていく。
昔の男友達の結婚。
嫁の査定は、余計なお世話。
昔の教え子の兄が、今や人気絶頂アイドル。
パッとしない子だったと、
周囲に過去を触れまわる教師。
食い違う両者の言い分。
余計なお世話・・。
地味で嫌われ者だった彼女が、
今や、カリスマ学習塾経営者。
小学校時代、友達に囲まれ人気者だった自分が、
雑誌の記事の為に、取材に行く。
複雑な心境の中で、ずっと自分が優位だと思っていた。
その思いが、無残にも打ちのめされたのは、
取材が終わった後だった。
それぞれの思い出の濃さは、良いと悪いとでは、
お互いにおける記憶の割合は、真逆だ。
仕打ちを受けた方は、鮮明に覚えている。
そのエネルギーは、計り知れない。
無暗に、他人の事を触れまわると、
大きなしっぺ返しが来る。
他人は他人。
余計なお世話なのである。
2018-12-19 09:55
nice!(14)
コメント(0)
コメント 0