かなたの子 角田光代 [作家か行]
それぞれの持つ過去。
忘れられず、現在も心を占めている。
恐れ、後悔、贖罪・・・・。
形は違えど、
心の闇は、深い。
8篇の短編からなる物語。
生まれるはずだった命、
生まれてからの小さな命、
子どもの頃に犯した罪・・・。
傷つけた人たち。
逃れられない過去の記憶に、
とらわれ続ける。
それでも、私たちは生き続ける。
想いは、時に、今と過去を重ね合わせ、
立場を逆転させ、
声なき声を聞かせる。
それは、自らの声なのか・・・。
その深い想いにより、
私たちは、既に、
許されているのかも知れない。
コメント 0