ただいま神様当番 青山 美智子 [作家あ行]
毎朝「坂下」のバス停に並ぶ5人。
その決まった顔ぶれは、
7時23分発のバスを待つ。
そのバス停に置かれた「落とし物」
ある時は、「CD」
またある時は、「エナメルの腕時計」、
「ワイヤレスイヤホン」、「黒い折り畳み傘」、
「一万円札」
それは、その時々のバス停到着一番乗りさんが、
欲しいもの・・
持ち帰った事で、『神様当番』決定!!
腕にハッキリ書かれた『神様当番』
小柄で痩せていて、
頭頂つるつるで両サイドはふさふさ白髪、
エンジ色の長袖ジャージ姿の老人が、
突如現れ、わしは神様だという。
そして、お願い事をしてくる。
神様のお願い事を叶えるまで、
当番は続く。
普段、神様はお当番さんの手のひらに潜む。
時々、勝手に動いたりもする。
神様の願いを叶えた時、
腕の文字は消え、神様はいなくなった。
そして、願いを叶えた者たちは、
気持ちが晴れやかになり、
自信が漲り、前向きになれた・・。
神様の願いは・・・
自らの願いなのかもしれない。
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