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四十九日のレシピ 伊吹有喜 [作家あ行]

四十九日のレシピ
著者: 伊吹有喜
出版社: ポプラ社
価格: ¥ 1,470
発売日: 2010/02/16


泣けました。
いい意味で。

人は亡くなると、
四十九日まで、この世をさまよい、
その後、天に昇ると言われています。

大切な人が亡くなり、
残された家族が、生きる辛さを乗り越え、
前を向いて生きていけるように。

去ってゆくものの想い。

父の後妻の乙美が亡くなった。

突然、イモトというガングロ、金髪の子が、
乙美の四十九日まで、
父のお世話をすると現れた。
生前、乙美と約束していたという。

イモトが手にしていたのは、
乙美が書いたイラスト入りの
「四十九日のレシピ」と書かれたものだった。

そこには、料理のレシピの他、
掃除、洗濯など生活に必要なことが
たくさん書かれていた。

そして、乙美は、
自分の四十九日は、大宴会をしてほしいと
言っていたという。

嫁に行った娘の百合子は、
夫の浮気相手が妊娠したと、
家を出て、父の元に戻ってきた。
身を引いてきた百合子だったが、
夫は離婚は考えておらず、
一時の迷いが、自らの首を絞めている状態だった。
相手は、とんでもない女だった。

父の元で、百合子、イモト、
そしていつからか出入りするようになった外国人のハルミ、
それぞれの任務を遂行するように、
乙美が居なくなった穴を埋めるがごとく
身の回りが整っていった。

そして、四十九日の日。

普通の法要ではなく、
乙美の意向通り、宴会を行った。
乙美に縁のある様々な人たちが集まった。

百合子の夫が、父に言った。
百合子とやり直したいと。

百合子の本当の気持ち。
わかってやろう。
父の決心。

宴会は、終わった。

百合子は、父の元を発った。

ハルミ、そしてイモト。
今日までの約束。
最後に、父と一緒に、
流し雛のように、紙人形を川に流したイモト。

消えるように、去って行った。



川は、すべての境目、
異世界の入り口。
夢と現実、過去と未来、
正気と狂気、
あの世と、この世の境界線。。。




もう、2人とも、大丈夫・・・。




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コメント 1

パスタのレシピ

とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます♪(´ε` )
by パスタのレシピ (2011-06-27 00:17) 

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