闇祓 辻村深月 [作家た行]
辻村深月さん初の本格ホラーミステリ長編。
【闇祓(ヤミハラ)
闇ハラスメントとは、
精神・心が闇にあることから生ずる、
自分の事情や思いを相手に押し付け、
不快にさせる言動。行為。
本人が意図する、しないに関わらず、
相手が不快に思い、
自身の尊厳を傷つけられたり、
脅威を感じた場合はこれにあたる。(本文中より)】
世の中に蠢く闇。
心の隙間に入り込み、
より深く浸透させる。
自分の闇を押し付け、
相手の闇を引き出し、追いつめ、
思考力、気力を奪い、
理性を失わせ、人格まで変え、
そして周りの人間を死や闇に引きずり込む。
澪が通う高校に転校してきた要。
不気味で距離感が異様で、怖い存在だった。
「家に行っていい?」
突然の言葉に、澪は恐怖を感じ、
同じ部活の先輩に相談する。
その神原先輩は、
澪を守ってくれていた・・
しかし、徐々に威圧的に、
執拗に追いつめるようになり・・
闇で人の心を取り込んでいく者たちは、
家族を装い、
世の中に溶け込んでいる。
祓う者たちによって、
自らが退治される直前に、
力を他人に移す。
取り込まれた者は、
同じ様に闇を押し付けていく・・。
澪が見た者たち。
それは、世の中のほんの一部なのかもしれない。
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