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悪の芽 貫井徳郎 [作家な行]


悪の芽

悪の芽

  • 作者: 貫井 徳郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/02/26
  • メディア: 単行本



人間は、動物から進化を遂げ、社会を作った。

そしていつしか、
強者と、弱者の差が生まれ、
極端な格差社会となった。

傲慢さ、蔑み、妬み、憤り・・

様々な感情が、蔓延る現代、
匿名という保護の元、
簡単に晒される言葉は、
時には、人を残酷なまでに打ちのめす。



最大級のアニコン会場で、
男が火炎瓶を投げ込み、
大量の死傷者を出した。

男は、その後焼身自殺をした。


事件を起こした男・斉木は、
安達の小学校時代の同級生だった。

斉木は苛められていた。
その原因を作ったのが、安達だった。


就職氷河期に晴れて銀行員になった安達と、
アルバイト生活をしていた斉木。

事件の発端は、小学時代のいじめとの報道で、
安達は、そのことを確かめようと、
斉木について調べ始める。

自責の念から解放されたい思いから
斉木を理解しようと試みるが、
自らの傲慢さを思い知り、苦しむ事に。


斉木は、安達が思うより、
人間らしい心を持っていた。


人類は、まだ進化途上であり、
全ての人間が成長するにはまだ時間がかかる。


斉木は、
今の世界に絶望し、
人間に絶望し、
自分自身に絶望したのだ。



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