姑の遺品整理は、迷惑です 垣谷美雨 [作家か行]
思い切ったタイトルの小説ですが、
垣谷流の救い感のある納得の一冊です。
嫁と姑。
いつの時代も、何かしら合い知れない
独特な雰囲気が漂う間柄であります。
(一概には言えませんが)
一人暮らしの姑が亡くなり、
一人息子の嫁である望登子が業者に頼まず、
遺品整理に通っていた。
物が多すぎる。
ぶつぶつ文句を言いながら片付けていると、
誰もいないはずの部屋なのに、
人がいた痕跡が。
たびたび起こる奇妙な現象に困惑するも、
一向に進まない片付けに辟易していた。
通い続けているうちに、
姑の知らなかった一面が見えてきた。
面倒見の良い性格で、周りの住民に慕われ、
感謝されていたのだ。
いつしか望登子も周りの温かい目に救われ、
片付け作業も頼ることとなった。
謎の現象も理解した。
もっと寄り添って、
もっと知ることができたら、
姑の事を、もっと理解できていたら・・。
若い時は、日常の忙しさに流され、
しっかり目を向けることが出来なかった。
姑なき今、
気持ちが分かったような気がしています。
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