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コイコワレ 乾ルカ [作家あ行]


コイコワレ (単行本)

コイコワレ (単行本)

  • 作者: 乾 ルカ
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 単行本



文章から伝わってくる情景が、
しっかりと頭の中に広がり、
物語に引き込まれていきます。




「山」と「海」

決して交わることのない運命

互いに憎しみあい、対立しあい、

近づくことはなかった



太平洋戦争末期、
東京の親元を離れ、疎開先の寺に来た清子。
母からの木彫りのお守りを胸に、
孤独に耐えていた。
清子は、他の子とは違う蒼の眼を持ち、
異彩を放っていた。
「海」としての特徴だった。
突如、清子は体全体に衝撃的な嫌悪感を覚える。

それが、「山」としてのリツとの出会いだった。

リツは、疎開先の寺で育った孤児だった。
リツもまた、清子に対して、
激しい嫌悪感を覚え、敵対していた。

ある日、1人の青年の出征を前に、
事件が起こる。



決して、近づくことはないと思っていた。



2人は、大切な人を思う心の本当の意味を知る。

相互作用により、人間性を大きく成長させていく。

思いが、運命を大きく変えていく。


心を込めて、魂を込めて、無事を祈り、
彫り上げる、特別なお守り。

役目を果たした時、砕け散る


私を守った2つのお守り。


決して忘れない。


そして、私たちは、これからも生きていく。





(「螺旋」プロジェクト 昭和前期篇)





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